歯科食育 ~噛むことの大切さ~

よく噛むことは、単に食べものを体に取り入れるためだけではなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしています

この噛む効用について、学校食事研究会がわかりやすい標語を作りました

「ひみこの歯がいーぜ」です
弥生時代の人は現代人に比べて、噛む回数が何倍も多かったと考えられていますから、卑弥呼(邪馬台国の女王)だって、きっとしっかりよく噛んで食べていたのではないでしょうか

 

ひ:肥満を防ぐ
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます

よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります

よく噛むことこそダイエットの基本です

 

み:味覚の発達
よく噛むと、食べもの本来の味がわかります

人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます
できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう

 

こ:言葉の発音がはっきり
歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます
よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります
元気な顔、若々しい笑顔は、あなたのかけがえのない財産です

 
   

の:脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します
あごを開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです
子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防に大いに役立ちます

 

は:歯の病気を防ぐ
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします
この唾液の働きが、 虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、
細菌感染を防いだりして、 虫歯や歯周病を防ぐのです

 

が:がんを防ぐ
唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的です
「ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです

 

い:胃腸の働きを促進する
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、
食べものがきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです
偏食なく、 なんでも食べることが、生活習慣病予防にはいちばんです

 

ぜ:全身の体力向上と全力投球
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません
よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます